月別アーカイブ: 2017年6月

糖が及ぼす身体への影響と対策 その7

今回も、糖化によって引き起こされる症状について解説します。

◎消化器疾患
胃腸炎、胃弱、胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎、便秘、下痢、クローン病、潰瘍性大腸炎、脱腸、虫垂炎、過敏症腸炎等、消化器系トラブルのほとんどは糖が原因です。糖の過剰・継続摂取により交感神経優位体質になり、174話での解説のように、顆粒球メインの免疫反応によって活性酸素が発生し、粘膜を傷つけて炎症を起こします。大腸はリンパ球を最も多く保有する臓器ですが、糖化は粘膜内のリンパ球を減少させ、ポリープなど良性腫瘍の原因にもなります。
また、糖はウイルスや悪玉菌の餌になり、腸内バランスを崩しますし、糖を摂り続けていると酵素の効果は望めません。酵素を摂取したいのなら、果物からではなく、鮮度のいい刺身や発酵食品からにするべきです。つまり、通常の食生活をしていれば、必要量の酵素を摂れるのです。胃癌の原因の一つとされるピロリ菌よりも、菌の餌になる糖の摂取量を心配すべきです。

◎婦人科疾患
婦人科疾患の多くも、糖の継続・過剰摂取が原因といえます。子宮筋腫等の腫瘍は、上記「消化器疾患」で述べたように、糖を餌にして細胞が変性を続けた糖化産物です。女性ホルモンの影響で引き起こされる生理痛や生理不順も、糖の摂取によりヘモグロビンが糖化して身体が冷えることと、ホルモン自体の糖化に起因します。閉経の前後に起こる更年期障害の様々な症状を抑えているのはステロイドホルモンです。減少する女性ホルモンに代わって働いていますが、前述のように、糖の継続摂取によりステロイドホルモンの枯渇が生じると、女性ホルモンの代替機能を果たせなくなってしまうのです。
糖を制限し、ホルモンの材料となる良質なたんぱく質や鉄分を摂取することで、更年期障害は軽減します。

◎低血糖症
低血糖症(血糖値が安定せず、身体を動かしたり疲労感があるとすぐに血糖値が下降する)も、高血糖同様、単糖類(果糖・ブドウ糖)や二糖類(砂糖・ショ糖・乳糖)の継続・過剰摂取が原因です。甘いものが欲しい衝動に駆られるのも同様です。糖を頻繁に摂取することによって、血糖値の乱降下が起こります。急激に上昇した血糖値は急激に下降し、血糖値を再び安定させるためにステロイドホルモンが疲弊し、やがて枯渇して低血糖が続きます。そこにストレスなどが加わると甘いものを欲し、摂取すると一瞬だけ快感覚になりますが、またすぐに気分が落ち込みます。その負の連鎖が続く状態が低血糖で、運動中でも仕事中でも夜中でも、エネルギー補給として単糖類や二糖類を摂取すべきではありません。

◎うつ、認知症等精神疾患
上記「低血糖症」でも述べましたが、血糖値の乱高下は精神状態にダイレクトに影響します。疲労を感じたときは確かに低血糖状態かもしれませんが、そのタイミングですぐに甘いものに手を出しても、単糖類や二糖類は脳のエネルギー源にはならないので、気分はすぐに落ち込み思考活動を抑制してしまいます。依存度が増すと、ドーパミンの浪費によって建設的な心理状態を保つのが難しくなっていきます。
糖化による脳内血管の硬化に水分不足が加わると、血栓が出来やすくなり脳血管障害のリスクを高め、また血流不全によって認知症の要因にもなってしまうのです。

 

次回は、癌と糖の深い関係、糖を欲した際のおすすめの代替食に加えて、これまで挙げてきた症状が出た場合の身体へのアプローチなどを述べていきます。

糖が身体に及ぼす影響と対策 その6

今回も糖化による身体的影響について解説します。

◎コレステロール、動脈硬化
動物性脂肪の多い食事がコレステロール値に影響する、という大きな誤解が蔓延していますが、コレステロールのほとんどは肝臓で生成されるので、食事やカロリーを気にする必要はありません。
コレステロールそのものは、ステロイドホルモン(傷ついた細胞膜を修復し、ストレス時や血糖値の乱れを安定させるため副腎から分泌される)の材料になります。また、ビタミンD(免疫や骨の形成に非常に有用)の材料にもなるので、生命維持には欠かせない細胞です。
ですから、コレステロールを敵視しなくていいですし、善玉に対する悪玉コレステロール値の割合が高くても、それがすぐに動脈硬化につながるわけでもありません。
問題は、糖の継続摂取により、血管内の余分なコレステロールに糖が粘着することなので、コレステロールの値よりも糖の摂取量に注意を向けるべきです。前回のコラムの「静脈瘤」でも述べましたが、血管が硬化する原因は、糖の継続摂取とたんぱく質(血管の材料となる)の不足であり、コレステロール値を下げる薬の継続的な服用は、胆石になるなどのリスクをもたらします。

・肥満
脂質異常症・メタボリックシンドローム・糖尿病の原因が炭水化物の過剰摂取であることは疑いようがありません。たんぱく質や脂質の摂取は肥満にはつながりませんし、動脈硬化やコレステロール値とも無関係であることは前述の通りです。細胞の構成要素であるたんぱく質と細胞膜を保護する脂質はしっかり摂取すべきです。炭水化物はエネルギー源として必要ですが、体内に貯えられたたんぱく質が必要に応じてエネルギー源として糖になるので、エネルギー補給を目的に糖を摂る必要はありません。カロリーを抑えることにばかりに気をとられると、アミノ酸スコアが下がり低たんぱく状態(栄養不足)に陥ります。
炭水化物の摂取量を制限すれば体重はスムーズに落ちますし、たんぱく質をしっかり摂っていればリバウンドも起きません。ハードな筋トレや有酸素運動を習慣にしなくても、糖質制限を行えば体重は落ちるのです。消費カロリーに目を向けた運動によるダイエットは非効率で、鉄分やたんぱく質が不足するなどのデメリットの方が多いともいえます。運動での減量は難しいですし、体質改善もできません。身体は60兆個の細胞でできており、その細胞を構成し性質を決定するのはあくまでも食生活です。

・高尿酸血漿、痛風、腎不全
尿酸値の上昇や痛風の原因は、アルコールやプリン体の多い食品といわれています。腎臓でろ過しきれない残存物が指の神経を刺激して痛みを引き起こすのですが、そのろ過できない物質こそが糖で、プリン体と糖化することが痛風の原因です。水分不足と糖の継続摂取が腎臓に負担をかけ、そこにアルコール摂取などが加わることで更に尿酸値が上昇し、痛風を発症するのです。
腎臓機能に負荷をかける大きな要因として、糖の継続摂取、ジュースやスポーツドリンク、お茶などの摂取割合が水に比べ多いこと、薬の継続服用などが挙げられます。
腎臓のろ過機能が低下すると、人工透析が必要になってしまいます。そうなると水分を制限されるので、ますます機能が低下するという悪循環に陥ります。予防のためにも、1日2リットルの水の摂取と糖質制限をおすすめします。