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季節から健康を考える 夏・秋偏

気温が高く日差しが強い夏は、熱中症が危惧されます。脱水やのぼせだけでなく、めまいや意識障害にまで及ぶ場合もあります。いつも以上に水分摂取を心がけ、空調等で室温のコントロールを図りたいところです。体温コントロールが難しいこの季節は、東洋医学では暑邪といった外因による疾患が起こりやすいと考えられています。

心臓疾患や高血圧、動脈硬化等の方は、温泉等の熱い環境では充分に注意をする必要があります。同様に、循環器系や神経系に疾患がある方にとっては、暑い夏は要注意の季節です。血液の循環や神経系を正常に戻すために、東洋医学では苦味のある食材が推奨されています。苦味は消化液の分泌を促し、消化管の働きを活発にし、小腸での栄養分の吸収を促進します。栄養は血液によって運ばれるので、小腸は臓器の中でも血流量が盛んな場所です。

心臓と小腸が東洋医学で陰陽の関係とされるのもそのためで、小腸の活動が血液の循環を活性化します。ゴーヤ、ルッコラ、ケール、春菊、ウコン、銀杏、魚のはらわた、コーヒー等には抗酸化作用、血管拡張作用、そして自律神経調整作用がありますので、夏場は特に苦味のある食材を積極的に摂取しましょう。

また、ビタミンEには抗血栓作用があるので、アーモンド、落花生、ウナギ、エンドウマメ等を、そしてビタミンB12には神経の修復・造血作用があるため、カキ、ニシン、サバ、豚肉、イワシ等も、夏場にはしっかり摂りましょう。卵、豚肉、ゴーヤを含むゴーヤチャンプルは最強の料理といえ、沖縄県民が長寿なのもうなずけます。

秋になると空気が乾燥してきます。粘膜で保護されている鼻や喉も乾燥によって保護作用が弱まり、乾燥する時季に発生しやすいウイルスにさらされやすくなります。東洋医学では、秋は肺や気管支がダメージを受けやすい季節といわれています。

粘膜にはリンパ球が備えられ、本来は抗体をつくって異物を撃退しますが、この季節は乾燥によってリンパの機能が落ちやすく、インフルエンザウイルスに感染しやすくなってしまいます。ただ、インフルエンザも風邪の一種なので、うがいと手洗いを心がけ、ウイルスの餌となる糖質を控えていれば、必要以上に恐れなくてよいと思います。実際に罹患すると普通の風邪よりも辛いので、流行の時季は、前述のように糖質を控える、睡眠をしっかりとる等、免疫機能を低下させないように心がけて乗り切りましょう。

東洋医学では、秋は白い食材と辛い食材が良いとされています。風邪をひいて喉に痛みがあるときには、大根、白菜、らっきょう等が炎症を鎮めてくれますし、さらに納豆、モロヘイヤ、山芋、レンコン、オクラ等ねばねばした食材もおすすめです。

涙や鼻水が出る程に辛味の強い唐辛子やわさび、山椒等には、粘膜を通して異物の進入を防いで排出する解毒作用があり、加えて保温作用もあるので、風邪をひきやすい乾燥した季節には食卓に頻繁に並べておきたいですね。