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腰椎5番

前回までは腸骨の3次元方向、仙骨の歪みの考え方とセルフ調整法等骨盤帯について解説してきました。

骨盤は仙骨上部、仙骨底という部位と脊椎下端の腰椎5番と連結しています。この関節は腰仙関節と言われています。仙骨は腸骨と連結していますし、仙骨は腰椎と連結している、つまり仙腸関節が歪んでいるなら腰仙関節も歪むので骨盤と腰椎5番の矯正はセットで行う必要があります。骨盤のみの矯正とか骨盤体操等と言われていますが、腰椎5番まできっちり矯正しないと本当に骨盤が矯正されたとは決して言えないのです。

腰椎5番の矯正法をご紹介します。

両手中指をで腰椎の背中側先端の突起部位である棘突起を挟んで触診してみます。後方突出している側が腰椎が後方回旋している変位、と考えます。

この触診技術はある程度慣れ、熟練的な要素が必要となる為ここでは割愛し、またの機会に後述します。

後方回旋変位側の脚を施術ベッドから降ろして股関節は90度屈曲、やや内転気味に設置し、リラックスしたまま90秒ほど放置します。

L5左後方回旋の場合

腰椎変位部には軽く指で触れています。90秒経ったら、脱力をさせたままなるべくゆっくり元の姿位に戻します。腰椎の矯正は様々な矯正法がありますが、ここではオステオパシー領域のカウンターストレインと言われる比較的簡易に行え、優しくソフトに調整できる手技をご紹介しました。

次回は骨盤や腰椎が変位、歪む意味について述べていきたいと思います。

仙骨のセルフ調整

前回までは腸骨の3次元のそれぞれのセルフ対処法、そして仙骨の矯正法について解説してきました。

今回は仙骨のセルフ調整法について説明していきます。

腸骨をある程度矯正すれば仙骨も連動して稼動し動きはつく為、仙骨については側屈変位の簡易な矯正法を前回までで説明していますが、いざ疼痛が強くなった時、というよりも違和感が出てきた時や日頃から仙腸関節の動きをつけるために行ってほしい調整法として捉えて頂けたらと思います。

両手で拳をつくって、仰向けの体勢からその拳を仙骨の下に入れます(図1)。

図1 拳をつくる

拳は固定したままで両膝、股関節を屈曲、ゆっくり上下左右に両脚を動かします(図2~3)。

図2 拳を仙骨の下に入れる
図3 両脚を動かす
図4 前後左右に

数回行うことで仙腸関節の可動性が増します。

仙骨調整法

前回までは骨盤帯の腸骨にフォーカスして解説してきました。

腸骨の歪みは前述のとおり、3次元方向に変位していきますが、仙腸関節で連結している仙骨も当然腸骨と連動して歪みが起こっています。

仙骨もやはり側屈、前後屈、捻転と同様に3次元に変位していく可能性がありますが、腰椎5番とも腰仙関節と連結している関係性からその腰椎5番、そして腸骨の3方向を事前に矯正するとかなり仙骨も連動して動いていきます。ただ、交感神経が優位な状態が継続し、仙骨神経支配の内科的問題からくる炎症が強く起こると、仙骨の捻転等歪みも大きくギックリ腰を引き起こすことから仙骨の3次元矯正もしっかり行う必要もあります。

ここではそこまでの変位ではなく腸骨等事前に調整した後に残存する仙骨側屈調整について述べていきます。

腹臥位になって術者は仙骨をしっかり固定します(図1)。その状態のまま、膝を伸ばしたまま、股関節からゆっくり左右伸展動作を行います(図2.3)。脚が挙げにくい側の腸骨に仙骨底が側屈、引っかかりが生じ、伸展制限が起こっている証拠となります。

図1 仙骨を圧迫・固定
図2 右脚伸展
図3 右脚伸展

脚が挙げにくい側に仙骨底、つまり仙骨上部が傾いているので、挙げ易い側から仙骨下部の仙骨尖(尾骨側)をじわっと押圧して仙骨の傾きを矯正していきます(図4)。

図4 右脚が挙げにくい場合左仙骨尖を右に向かって押圧

次回はセルフ対処法をご紹介します。

骨盤の検査法 上・下方

前回に引き続き、骨盤の検査法、調整法をご紹介します。

◎腸骨の上・下方変位

腸骨が頭方側に変位する状態を上方変位と呼びます。骨盤前面、手で触れると出っ張り部分が上前腸骨棘(ASIS)ですが、触れてみたり手を置いて頭方側が上方変位になります(図1)。ちなみに地球の自転の影響もあり、左軸回転、左ーターンが車の運転でも、自転車操作でも、陸上トラック、スキーのターン等で体験済、証明されている通りで、左脚荷重気味となります。人間の二足歩行のみならず四足歩行の動物でも左ターンが得意です。

その影響から殆どの方が左腸骨上方変位となります。ここでは上方変位の調整ストレッチをご紹介します。

図1 ASISを触れ手の位置が頭方なら上方変位

上方変位しているということは体側面の肋骨と腸骨の距離が短いということになるので、逆側に比べウエストのくびれも無い状態と言えます(図2)。

図2 ウエストのくびれ、位置に差が出る
図3 腰方形筋ストレッチ

上方変位側の膝を床において、逆側は横に開きます。変位側の腕を挙げて、健側に胴体を側屈してストレッチをします。ウエストの筋肉である腰方形筋が伸ばされ、腸骨の位置が修正、くびれのバランスもとれます。

挙げている掌を外側に捻るとより、ストレッチされます。