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肋骨部の調整

前回までは胸椎の変位、その原因、そしてそれぞれの矯正法について解説してきました。

今回は肋骨の調整法について言及していきます。肋骨の痛みや炎症は背骨の横突起に近いに箇所の肋骨、胴体側面部分、そして胸骨側等に部位も分かれてきます。横突起に近い箇所は肋椎関節の捻挫や炎症、胸骨側は胸肋関節のトラブルの可能性もあります。いずれにせよ大元の胸椎に必ず変位が起こっていて、そこに連結する肋骨も必然的に変位から捻挫、炎症が生じることで疼痛の発現に至ります。

問題個所を触診するすると、隆起していて、または周辺全体に肋骨が膨らんでいたりします。背骨を中心に左が大きく膨らんでいたら脾臓つまり免疫系トラブル、右側なら肝臓の炎症に繋がることが多く、これは胸椎での解説の通りです。

正座の姿勢から肋骨変位側に坐骨をずらして横座りさせます。変位側(患側)の脇に術者の膝をあてがい、寄り掛かった状態にさせて脱力させます。健側へ頸椎をやや回旋そして屈曲位をとり、90秒程静止します。そこから脱力しながらゆっくり元の姿勢に戻します。

 

胸椎の矯正 Ⅱ

ここでは胸椎3次元の歪みについて解説します。

3次元とは椎骨の3方向の歪みを指し、椎骨の屈曲または伸展、側屈、そして回旋の3方向となります。痛みが慢性化および軽度で全体に広がったような痛みは側屈と回旋の2方向=2次元までですが、そこに更に前屈=屈曲、または後屈=伸展の前後屈の変位が加わると3次元の捻挫となり炎症及び痛みが強く可動域制限も伴うレベルとなります。

2次元では複数の歪みとなりますが、3次元はその椎骨単体、一か所の歪みなのですが、痛みが強く、その影響で炎症、可動域制限も広がる(=放散痛)為、本人はそのトリガーポイントは正確に把握しずらいものです。

触診で確認すると、その原因個所が前屈だろうと後屈だろうと3次元変位で椎骨はほぼ後方突出している為、比較的特定することは容易です。

普段の姿勢不良や、前屈動作、くしゃみ、咳等が増長させて捻挫を起こしますが、それらはあくまで2次的後発的要素に過ぎず、大元はその椎骨が3次元に変位するほどに椎骨下の脊髄神経根が強く炎症、興奮していた為です。

神経根の炎症はその神経支配となる内臓や血管群、リンパ管、神経節等の炎症や病変、機能低下等が考えられます。痛みの発現は急性的でも、そこに至るまではそれらの神経支配領域が時間をかけて何らかの機能不全が進行した結果となります。

胸椎全体では構造的にほぼ後湾している為、身体の前屈動作よりも伸展動作に痛みが出る割合が多いようです。構造的に胸椎全体が後湾しているということは背骨が丸まっていて、椎骨単体では前屈=屈曲の連続で重なっていることと同義といえます。

3次元変位はそこから更に椎骨が前屈するより、後屈することで可動域制限及び疼痛が強い為、多くは後屈変位を伴う3次元になります。

胸椎2番左は循環器、3番は肺、5番右は肝臓、7、8番左は免疫系、9,10番右は胆嚢、11,12番及び腰椎1番は腎、副腎の内科的炎症、トラブルと予測されます。

 両手を頭の後ろに回して、変位箇所に術者の膝を当てます。そこを支点に可能な範囲で胴体を伸展します。この動作で椎骨は前屈から後屈に位置していきます。さらに患側へ側屈を加えます。椎骨的には側屈させると後方から前方回旋に位置してもいきます。

10秒程その位置から元に戻る方向へ軽く抵抗運動を行い、10秒程休憩、それを3~5セット繰り返します。痛みと可動域が大幅に改善され3次元変位が矯正されます。

胸椎の矯正

脊椎の痛みは内科的トラブルを示唆した現象、と言及してきましたが、構造的的には2種類あり、2次元的歪みからくる痛みと、3次元的ピンポイントの痛みがあります。

2次元的歪みは脊椎が左右どちらかへの回旋、及び側屈が重なった変位となり、例えば左に後方回旋すると右に側屈、右に後方回旋すると左に側屈へと歪んでいきます。この2次元的歪みの場合単体ではなく複数の脊椎が同様に同方向に変位し、急性的なものではなく慢性的であり、その影響から後方回旋側に脊柱起立筋群が隆起、盛り上がっています。

前述してきたように右隆起は肝臓系の慢性疲労、左隆起は脾臓、自己免疫の低下が予想されます。

この複数2次元的歪みは普段は気にならない、または少し重さを感じる程度ですが、交感神経優位な状態が続き、精神的肉体的疲労が蓄積すると、重い感覚が強くなったり、痛だるくなります。激痛まではいかないのも特徴です。

そして慢性化しているので筋肉の形状も記憶して、普段から隆起が起こり、そして高齢化していくと明らかに身体のバランスを崩し、多くの方がどちらかの側弯を生じ、歩行や立位の不安定さの起因となってしまってもいます。

下肢への左右への荷重も変わり、均衡が崩れているので腰や膝等負担もかかっています。

ですから長い目で見ると2次元的歪みは放置せず、バランスを考慮したエクササイズの実施、姿勢の意識、栄養バランスを見直す等すべきです。偏った栄養、好きなものばかり食していくとその蓄積として、後に必ず影響し苦しむことになるようです。

背中にタオル等あてがって胸椎の下部から両膝を当て、ゆっくり上部へスライドしていきます。両手で相手の両肘を引きますが、膝と相手の肘のベクトルを合わせると力点が合い、うまく矯正されてきます。

筋肉が形状記憶するくらい慢性化、蓄積していると過度な疲労が加わった時、筋肉を形成する細胞も酸欠、劣化して硬化してしまっています。矯正後は厚い板が取れたような、スッキリした感覚にはなりますが、この効果も一時的であることも付け加えておきます。

次回は3次元的歪みの解説と矯正を述べていきます。

背骨の歪みが示唆するもの

脊椎や仙骨の変位、亜脱臼、歪みは交感神経優位状態が継続し神経系の興奮、炎症によって生じると述べてきましたが、背骨の個所によって内科的問題も分類されてきます。

仙骨から腰椎4,5番の捻挫は、泌尿器系、生殖器系、消化器系の何らかのトラブル、炎症、病理等が示唆するものと考えられます。

腰椎1~3番、胸椎12番は腎臓、副腎に問題が生じている可能性があります。

背面、背骨を中心に右背部の隆起は肝臓、胆嚢の炎症、疲労が示唆されます。胸椎10,11右への回旋、歪みは胆嚢の問題、右5、6番は肝臓の問題が疑われます。

胸椎7,8番を中心に左側背部隆起傾向の場合、脾臓の炎症があります。脾臓はリンパを生成する臓器の為、リウマチ、ガン等自己免疫性疾患が疑われます。

胸椎2番左側の炎症から上司にかけて痺れ等は心臓、3,4番から肋骨、そして肩関節の痛み、炎症、可動域制限、石灰化等は呼吸器トラブルが考えられます。

胸椎1番、頸椎7番の問題、そこから生じる上腕の痺れは胸椎12番同様腎臓が炎症を起こしています。頸椎1、2番は眼精疲労や頭重につながったり、その部位が詰まると頭痛、不眠、発作性癲癇にも生じる恐れがあります。

また、それら脊髄から前述の肋骨、腹部、胸部、頭部、そして四肢に広がる神経領域支配はミオトームと言われ、体表面のトラブルから脊髄の炎症そして内科不良を見立てていく診断ポイントとなっています。

例えば足裏、踵の痛み、ふくらはぎの炎症等は仙骨、腰椎下部の神経支配となり膀胱等泌尿器のトラブルが疑われます。踵を整形外科で受診しレントゲンで撮影しても器質的に異常が見つかるわけではなく、泌尿器が要因となっていることはよくあるケースです。足関節背部はリンパ系で膝関節や鼠径部前部も同様に免疫トラブルを示唆しています。いずれも糖質過多の食生活も要因として疑われます。

足裏から内側の痺れや痛みや腎臓、脾臓がやはり問題視されます。

このように痛みの部位を直接病変等で考えるより、神経領域、そして東洋医学における経絡上の違和感等発現部位から脊髄、内科的な観点から予測し見極めていきます。

骨盤や背骨が歪む発生機序 Ⅱ

もう少し、骨盤や背骨が歪む発生機序について解説を続けます。

内臓不良=内臓炎症→脊髄興奮=脊髄炎症→脊椎や仙骨の変位、亜脱臼、つまり歪みになることを説明してきました。

問題個所が前後屈(屈曲・伸展)、側屈、捻転とそれぞれの三方向へ=3次元的に変位が生じると亜脱臼となり、連結する周辺関節や靭帯、筋肉にも炎症、損傷を起こし強い痛みを引き起こし、ギックリ腰、ギックリ背中という現象になります。

このような急性的な痛みに対しては変位箇所を矯正、微調整するとアライメントが整い、可動性が取り戻されます。周辺組織の炎症度合にもよりますが、そこで痛みも軽減しますので、歪みそのものは日常化していて、地球の自転や軸足の影響から起こるといっても、このようなケースでは歪みを矯正する意味が出てきます。

ただ、一時的に矯正しても徐々に変位は生じてきます。急性的な強い痛みは改善するケースが殆どですが、その後も軽度な痛みが持続したり、腰でいうと坐骨神経痛やヘルニア等の現象で持続することもあります。

ですから骨格矯正で痛みを軽減しつつ、例えその時痛みが消失しても、または軽度に持続したり他の症状が出ていても、根本的に内科不良と捉え、原因を受け入れ、その為の根本的対応はすべきだと考えています。

痛みが治まったからそれで終わりではなく、その痛みは体表面に発現した病理に繋がるメッセージと捉え、ストレスや私生活等を見つめなおし、内観し、自省する機会にすることが後の疾患を予防するケアにもつながるのです。耳が痛い話ですね(笑)。

仙骨周辺の変位、痛みは泌尿器、消化器、生殖器等の何らかの炎症が考えられます。例えばそこに長期的座位姿勢やスポーツ等の特殊動作が加味されることも増長されたり一因にはなることもあると思います。ただデスクワークが長いだけで酷いギックリ腰やヘルニアにはなりません。立位姿勢に戻ったり、お腹を伸ばせば圧迫現象は解消されます。

よく、一度ギックリ腰をやると癖になるとか、肩こりや腰痛持ちで・・というフレーズを聞きますが、それは前述の内臓炎症に繋がるストレスや食生活、生活習慣等が引き金となる自律神経のアンバランスが持続したままだからです。その為、その場で一時的に痛みが緩和しても繰り返したり、慢性化してしまうわけです。

良い医師や治療家、治療法を求めて外に原因を求めてしまうケースが多くみられ、健康ブームもそこから来ているのでしょうが、心因性である内因と捉えたり、食習慣や生活習慣といった不内外因として整理することが痛みの連鎖から解放される早道です。

ちなみに食習慣と言っても糖質を控える(炭水化物、果物、スイーツは勿論)とほとんどの症状は改善します。あとは水分をこまめに摂取したり、植物性とかビーガンといった偏食をせずタンパク質をしっかり摂取するくらいです。ほとんどの関節の石灰化、つまり関節症や脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、そこからくる圧迫骨折の大元は糖質過多、タンパク質不足、水分不足に起因します。運動不足や老化ではなく、それらの食習慣の継続がある一定の年数になると細胞劣化を起こすこと、そして筋肉や関節の硬直により肋骨、胴体の硬化を引き起こすことで呼吸を浅くし酸素供給量を低下させ、ますます細胞の代謝不全につながるのです。

腰、膝、肩、頸等諸々関節症がある場合、四肢であっても、胴体、肋骨の可動性が極端に制限されています。肋骨の硬さは肋骨を覆う肋間筋の硬化を示唆しますが、その為に呼吸も浅くなり、酸素運搬能力も落ちて酸素や栄養を細胞に運ぶ供給量が少なく、四肢の関節症を引き起こします。

左脊椎の隆起は脾臓、右脊椎の隆起=側弯は肝臓等の炎症、慢性疲労、臓器負担が考えられます。長期的に薬を服薬することでも肝臓は炎症を起こすことに繋がりますし、強度のある運動を一定期間継続しても肝臓は疲労して、右背部隆起を起こします。

これらは慢性化して2次元的変位なので、背中の急性痛にはすぐにはなりません。ただ、臓器の炎症→神経の興奮で背骨が変位して慢性化すると周辺の背骨に付着したり影響されている筋肉も隆起してきます。

筋肉は記憶するので、長期化した隆起はその個所に痛みが無くても側弯を引き起こします。背骨の隆起は殆どが右側は肝臓、胆嚢、左は脾臓から起こっています。普段の姿勢、例えば脚をどちらで組んでも、運動不足であってもそこには起因せず、臓器から示唆されているのです。逆にどんなに運動をしても、身体を伸ばしてもその隆起の身体的記憶は取り切れませんし、過度な運動はますます隆起を増長させることでしょう。

こう考えると歪みを取り切ろう、矯正しようと躍起になったり、様々な治療法を試したり、そもそも歪みが痛みの根本的原因と考える前に、

身体の違和感は自律神経不良からくる臓器の疲れが起こっていると捉え、ストレスや食習慣を見直しつつ、呼吸が浅くならないように胴体の可動性を維持しておくことが何よりの優先事項であり、根本的対処法。そして元々の歪みは取り切れず、自然現象と割り切ることが健康的な生活を維持し、痛みを回避するシンプルな取り組みと言えるのではないでしょうか。

骨盤や背骨が歪む発生機序

前回までは腰椎5番を含む腸骨、仙骨等の骨盤の歪みの検査法、調整法について簡潔に述べてきました。

今回はそもそも何故これら骨格に変位が起こるのか、疼痛が発生するまで何故炎症が起こるのかについて解説していきます。

一般的に骨格の歪みは2足歩行、産後、日頃の姿勢、運動不足、老化等と言われています。

確かにどれもあてはまると言えます。ただ、2足歩行ではなく4足歩行でもヘルニアになったりギックリ腰にもなりますし、ターンし易い側(主に左)も存在するので歪みは起こっています。産後は一時的に骨盤は開きますが放置していれば勝手に戻ります。運動不足に関しては日頃運動している方、アスリート、ヨガのインストラクターでも普通に歪みはあります。老化に関しては、元々普段から歪んでいたものがより固着した状態になっている場合が見受けられますが、主に肋骨、胴体の側弯に見られます。

つまりこれらは歪みを多少増長させることがあっても根本的な原因には決してなりえません。骨格的には、地球の自転がまず影響し、そこに無意識の中で軸足や運動足の習慣が重なり、腸骨の位置に差が出ます。ですからどんなに矯正しても、ストレッチを日々行っても立位となり歩行を始めたその一歩目からすぐに歪みは始まります。

これまで歪みの調整法について解説してきたにもかかわらず、逆説的ですが歪みそのものは恒久的に無くすことは不可能ですし、その必要も無いのです。

歪みが3次元的に大きくなり、その個所に強い炎症が発現して、疼痛を生んでそれが顕著、または持続性を有する場合に、骨格矯正が有効になります。

日頃痛みが無いにもかかわらず、骨格を調整しても身体にはほとんど影響せず、そもそも歪みを取りきることは根本的も不可能なことなのです。

血流不全や神経痛、冷え、婦人科系の症状、他疾患の多くは自律神経系、内分泌系が不安定になることから起こり、ストレスと食生活からそれらは起こります。

3次元方向に歪みが大きくなり、炎症が強く、痛みも顕著な場合は、その個所はピンポイントで痛みの引き金個所となっています。

 例えば仙腸関節の捻挫がきっかけでギックリ腰、強い腰痛、神経痛が起こる場合は骨盤内臓神経、仙骨神経叢の延長線上にある内科的問題が内在しているわけです。生殖器、泌尿器、消化器等がそれにあたり、まずこれらの臓器が慢性的及び急性的に炎症が起こっています。臓器機能不全、病変等が考えられ、機能低下または亢進等になり、臓器炎症となります。

 人間は脊髄動物ですから、仙骨や脊髄からの神経は臓器等と繋がれています。臓器の炎症から連結している神経も炎症が起こり、体外部神経根となる各脊椎や仙骨も神経の興奮の影響を受けて3次元的に変位、捻挫が起こるわけです。

 神経の興奮、強い疼痛が起こらない歪み、変位は3次元ではなく2次元までの歪みで、それらは地球の自転の影響を受け、自然の摂理としての歪みです。そこに日頃の姿勢や癖が増長させることもあるでしょうし、日頃の姿勢を意識することは大切なことではありますが、歪みそのものを無くすこともできず、気にする必要もありません。

 繰り返しますが、矯正を必要とする程の骨格の3次元的変位は、その神経根が興奮、炎症を起こしている為で、その神経の大元となる臓器の炎症が根本原因です。姿勢や偏った動き、運動不足は炎症を増長させる一因子に過ぎません。

このような現象が起こった時に前回までご紹介してきた骨格の調整法を活用していきます。神経の興奮は臓器の炎症から、と述べましたが、自律神経や内分泌系に影響が出て恒常性が乱れる大きな原因は、ストレスです。このストレスが交感神経の比率を優位にして、自律神経系の切り替わりのスムーズさを失わせ、内分泌系にも強く影響していきます。この身体状況が持続すると、臓器不全が出始め、炎症を起こし、神経の炎症、興奮と傾き、神経根である骨格も捻挫を起こすというわけです。

腰椎5番

前回までは腸骨の3次元方向、仙骨の歪みの考え方とセルフ調整法等骨盤帯について解説してきました。

骨盤は仙骨上部、仙骨底という部位と脊椎下端の腰椎5番と連結しています。この関節は腰仙関節と言われています。仙骨は腸骨と連結していますし、仙骨は腰椎と連結している、つまり仙腸関節が歪んでいるなら腰仙関節も歪むので骨盤と腰椎5番の矯正はセットで行う必要があります。骨盤のみの矯正とか骨盤体操等と言われていますが、腰椎5番まできっちり矯正しないと本当に骨盤が矯正されたとは決して言えないのです。

腰椎5番の矯正法をご紹介します。

両手中指をで腰椎の背中側先端の突起部位である棘突起を挟んで触診してみます。後方突出している側が腰椎が後方回旋している変位、と考えます。

この触診技術はある程度慣れ、熟練的な要素が必要となる為ここでは割愛し、またの機会に後述します。

後方回旋変位側の脚を施術ベッドから降ろして股関節は90度屈曲、やや内転気味に設置し、リラックスしたまま90秒ほど放置します。

L5左後方回旋の場合

腰椎変位部には軽く指で触れています。90秒経ったら、脱力をさせたままなるべくゆっくり元の姿位に戻します。腰椎の矯正は様々な矯正法がありますが、ここではオステオパシー領域のカウンターストレインと言われる比較的簡易に行え、優しくソフトに調整できる手技をご紹介しました。

次回は骨盤や腰椎が変位、歪む意味について述べていきたいと思います。

仙骨のセルフ調整

前回までは腸骨の3次元のそれぞれのセルフ対処法、そして仙骨の矯正法について解説してきました。

今回は仙骨のセルフ調整法について説明していきます。

腸骨をある程度矯正すれば仙骨も連動して稼動し動きはつく為、仙骨については側屈変位の簡易な矯正法を前回までで説明していますが、いざ疼痛が強くなった時、というよりも違和感が出てきた時や日頃から仙腸関節の動きをつけるために行ってほしい調整法として捉えて頂けたらと思います。

両手で拳をつくって、仰向けの体勢からその拳を仙骨の下に入れます(図1)。

図1 拳をつくる

拳は固定したままで両膝、股関節を屈曲、ゆっくり上下左右に両脚を動かします(図2~3)。

図2 拳を仙骨の下に入れる
図3 両脚を動かす
図4 前後左右に

数回行うことで仙腸関節の可動性が増します。

仙骨調整法

前回までは骨盤帯の腸骨にフォーカスして解説してきました。

腸骨の歪みは前述のとおり、3次元方向に変位していきますが、仙腸関節で連結している仙骨も当然腸骨と連動して歪みが起こっています。

仙骨もやはり側屈、前後屈、捻転と同様に3次元に変位していく可能性がありますが、腰椎5番とも腰仙関節と連結している関係性からその腰椎5番、そして腸骨の3方向を事前に矯正するとかなり仙骨も連動して動いていきます。ただ、交感神経が優位な状態が継続し、仙骨神経支配の内科的問題からくる炎症が強く起こると、仙骨の捻転等歪みも大きくギックリ腰を引き起こすことから仙骨の3次元矯正もしっかり行う必要もあります。

ここではそこまでの変位ではなく腸骨等事前に調整した後に残存する仙骨側屈調整について述べていきます。

腹臥位になって術者は仙骨をしっかり固定します(図1)。その状態のまま、膝を伸ばしたまま、股関節からゆっくり左右伸展動作を行います(図2.3)。脚が挙げにくい側の腸骨に仙骨底が側屈、引っかかりが生じ、伸展制限が起こっている証拠となります。

図1 仙骨を圧迫・固定
図2 右脚伸展
図3 右脚伸展

脚が挙げにくい側に仙骨底、つまり仙骨上部が傾いているので、挙げ易い側から仙骨下部の仙骨尖(尾骨側)をじわっと押圧して仙骨の傾きを矯正していきます(図4)。

図4 右脚が挙げにくい場合左仙骨尖を右に向かって押圧

次回はセルフ対処法をご紹介します。

骨盤の検査法 上・下方

前回に引き続き、骨盤の検査法、調整法をご紹介します。

◎腸骨の上・下方変位

腸骨が頭方側に変位する状態を上方変位と呼びます。骨盤前面、手で触れると出っ張り部分が上前腸骨棘(ASIS)ですが、触れてみたり手を置いて頭方側が上方変位になります(図1)。ちなみに地球の自転の影響もあり、左軸回転、左ーターンが車の運転でも、自転車操作でも、陸上トラック、スキーのターン等で体験済、証明されている通りで、左脚荷重気味となります。人間の二足歩行のみならず四足歩行の動物でも左ターンが得意です。

その影響から殆どの方が左腸骨上方変位となります。ここでは上方変位の調整ストレッチをご紹介します。

図1 ASISを触れ手の位置が頭方なら上方変位

上方変位しているということは体側面の肋骨と腸骨の距離が短いということになるので、逆側に比べウエストのくびれも無い状態と言えます(図2)。

図2 ウエストのくびれ、位置に差が出る
図3 腰方形筋ストレッチ

上方変位側の膝を床において、逆側は横に開きます。変位側の腕を挙げて、健側に胴体を側屈してストレッチをします。ウエストの筋肉である腰方形筋が伸ばされ、腸骨の位置が修正、くびれのバランスもとれます。

挙げている掌を外側に捻るとより、ストレッチされます。